アーユルヴェーダは、
肉体の病気を治すだけの科学でも
心の平安を取り戻すだけの科学でもありません。
その目標はありとあらゆる生命全体の調和を取り戻し、
そこに進化をもたらす事にあります。
アーユルヴェーダによる自然との調和
「アーユ」(ayuh)というのは、「生命」という意味であり、「ヴェーダ」は、知識・乃至・科学を意味します。それゆえ、「アーユルヴェーダ」とは、
「生命の科学」という意味です。どうしたら自然に生きられるか」という知識の集大成を意味し、生活の不調和―自然法則からの逸脱―を除去し、自然と調和する法則を教えるものなのです。
大宇宙としての宇宙と、
小宇宙としての人間が直接的な関係を持っている
インドで5000年以上前から行われてきた、世界最古の伝承医学で、現在、世界三代伝統医学と呼ばれているのがアーユルヴェーダ、中国医学、イスラム圏で盛んだったユナニ医学です。西洋近代医学は、物質科学の立場から多くの疾病の原因を究明し、人類に計り知れない恩恵を与えてきましたが、それでも多くの人々は西洋医学が万能だとは思っていません。欧米諸国では、既に東洋医学全般への関心は高く、いろいろな研究も行われつつありますが、どのような代替医療が効果的なのかははっきりとしてないのが現状です。またアーユルヴェーダに関しても種々の情報が溢れる中、その最も本質的な部分は未だ充分に解明されていないのが現実です。しかしその教えは私たちに沢山の気づきを与えてくれます。 アーユルヴェーダの発想の中枢には、大宇宙としての宇宙と、小宇宙としての人間が直接的な関連を持っているという洞察があります。すなわち、大宇宙の変化に従って小宇宙である人間の体内に変化が起こるという現象が観察されています。(月の満ち欠けが、女性の身体にいろいろな影響を与えている事は、周知の事実です。)
宇宙の成り立ちを解説するアーユルヴェーダは、そのまま生命を構成する三つの要素であるドーシャ(病素)を導き出します。三つのドーシャは、人間の生理と心理、健康と病気、すべてを理解する鍵となります。「ドーシャとは、五大元素と生命体を結びつける、三つの基本要素のことである」生命の科学・アーユルヴェーダでは、ヴァータ・ピッタ・カパと呼ばれるこの三つの性質を基本に組み立てられます。